この国では犬が

本と芝居とソフトウェア

XPの5つの価値は自己組織化を促進する

エクストリームプログラミング(XP)では、5つの価値が掲げられている。 シンプリシティ、コミュニケーション、フィードバック、リスペクト、勇気だ。 このXPの5つの価値を眺めていると、ほとんどそのままチームの自己組織化を促進する要素になっているな、…

チームの自己組織化が起こるように、ソース原理を活用する

今年のスクラムフェス新潟にこういうプロポーザルを出した。 confengine.com が、残念ながら採択されず。 とはいえ我ながら面白いテーマだと思うので、いっちょブログにまとめてみようと思う。 ソース原理 ソース原理(Source Principle)とは、ピーター・カ…

「ふりかえり」とは、チームという複雑系をよりよくするための実験にコミットする道のり

ソフトウェアエンジニアとして、チームでの「ふりかえり」に500回*1ばかり取り組んできた中で、「ふりかえり」とは、「チームという複雑系をよりよくするための実験にコミットする道のり」である、という理解に行き着いた。 これが真理である、というよりは…

2024年のふりかえり

年末なので、少し早いけれど今年をふりかえっておこう。 やったこと 昨年末には、こう書いていた。 幸い、「価値のあるものを生み出すこと」は、自分だけでなく、周りの人たちや社会にとっても利益こそあれ、不利益はあまりない。と思う。 であれば、素直に…

「アジャイルかどうかは、どうすればわかる?」

先日「アジャイル入門」的な内容でお話しする機会があったのだけど、その中で「アジャイルかどうかは、どうすればわかる?」ということに悩んでいる方が多く、「難しいな〜」と思いながら以下のリストを(一つの提案として)ひねり出した。 毎日、何度も「完…

動作するきれいなコードを速く書くための3つの習慣

僕はかれこれ10年以上プログラマをやっていて、それなりにプログラミングができるんだけど、最近プログラミングをしていて、「これってスキルというよりも、ただの習慣だな」と気づいたことがいくつかあった。 「スキルというよりも、ただの習慣」というのは…

うまいことソフトウェア開発やっていく感じ(後編: 開発、リリース、それから)

この記事の後編です。 enk.hatenablog.com 前編では、チームが集まるところから始まって、目的を理解し、ソリューションの仮説をストーリーに分解して見積もり、計画を立てるところまで辿り着いた。 最初の計画が立ったら、週次サイクルで開発を進めていく。…

うまいことソフトウェア開発やっていく感じ(前編: チームが集まってから見積もりと計画づくりまで)

最近、だいぶチームでのソフトウェア開発がうまくなってきたなという感覚があって、どうやっているのか書き下してみる。 前提として、主にB2BのSaaSを作っているので、B2Cだったり、SaaSではなかったりすれば、異なってくる部分ももちろんあると思う。 チー…

ファシリテーション入門

今日同じチームの人から「どうすれば(プランニングのような)ミーティングをうまく仕切ることができるのか」といった趣旨のことを聞かれたのだけど、あまりうまく答えられなかったので、ちょっと落ち着いてまとめてみようと思う。 ファシリテーションの問題…

世界に価値のあるプロダクトを届けたい

(この記事は、いわばセルフコーチングのメモ、というか議事録のようなものです) 世界に価値のあるプロダクトを届けたい。 これが僕の行動原理だ。 ということについては、大学を卒業して働き始めるかどうかといった頃に気づき始めたと思う。以降、この認識…

2023年のふりかえり

今年もふりかえりブログを書く。 なんだかんだ、2013年にブログを始めてから今年まで、11年間続けているのだな。 やったこと 昨年末には、こう書いていた。 なんとなくだけど、社会にひらいていくのが次の新しいことという気はしている。 基本的に内向的とい…

加点法で生きる

加点法で生きると、幸せを感じやすいのではないか。 そして、僕は普段から加点法で生きている。と思う。 昨日からなんとなく京都に一泊で来ていて、来るまでは大きな目的もなく、期待もなく、来てはみたものの楽しめるのだろうかというなぜか不安のようなも…

プロダクトマネージャーをチームの一員にする

この記事は、Uzabase Advent Calendar 2023の10日目の記事です。 昨日の記事は@itsukiyさんの「YAGNIから受け取ったメッセージ」でした。 まえおき 現在僕が所属するユーザベースでは、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーは別の組織に所属して…

『プロダクトマネージャーのしごと』から学んだこと

『プロダクトマネージャーのしごと』は本当にすばらしい本だった。 邦題にこそ『プロダクトマネージャー』という役割名が入っているが(※原題は『Product Management in Practice』)プロダクトはみんなで作るものであり、ソフトウェアエンジニアである自分…

仕事の中でずっと学びがある

なんか(何かを)書きたくなったから書くんだけど。 仕事の中で、ずっと学びがあるなって思う。 プログラマとして働き始めてから10年以上が経って、人がどんどん入ってくる若い業界でもあるゆえシニアとか呼ばれるような感じになってきているのだけれど、ず…

複数チームでうまく価値を届けるためのヒントが満載の本『スクラムの拡張による組織づくり』

以前対談させていただいただいくしーさんが本を出されたということで、対談内容にも通じる組織の話ということもありこれは読まねば! と思い買って読んでみました。*1 結果、とてもよかったです。 最近の個人的な関心事にも通じる部分が大きく、多くのヒント…

2022年のふりかえり

ちょっと早いけど、今年をふりかえる。 やったこと 「今までの延長線上にない、なにか」をやる。 去年のふりかえりで、こう書いていた。うーん、なにかやっただろうか。 結婚した。Technical Product Managerになった*1。翻訳出版をした。ソロイベントで登壇…

『アジャイルリーダーシップ』発売です

『アジャイルリーダーシップ: 変化に適応するアジャイルな組織をつくる』(原題: The Agile Leader : Leveraging the Power of Influence)という本を、会社の同僚3名と一緒に翻訳しました。 今日、発売です。 www.amazon.co.jp 僕が愛してやまないジュンク…

日記

なんとなくなにか書きたくなったので書く。 何のために生きてるんだろう、みたいなこと。 いや、違う。 別に生きる意味なんてものはないというか、なくていいというか、そういうことはわかっている。と思う。 では、生きるのが嫌になったとかそういうことか…

2021年のふりかえり

やったこと 3 冊 修正した目標「2 ヶ月に 1 冊以上技術書を読む」について、2021 年に読んだ技術書は 3 冊。*1 修正後の目標に対しても 50% の結果となってしまった。 技術書以外の本であれば、30 冊程度は読んでいる。 まあ、こんなものだと思う。 3 本 修…

チームフロー

この記事は、Uzabase Advent Calendar 2021の25日目の記事です。 昨日は、sefwgweoさんの「Androidアプリのログが正しく送信されていることを担保する」でした! 私たちは、ソフトウェアエンジニアとして、日々チームで成果を届けている。そこには、「(個人…

2021年前半のふりかえり

やったこと 1 冊 目標「月に 1 冊以上技術書を読む(※アジャイルの本など、コードが出てこないものは除く)」について、2021 年前半に読んだ技術書は 1 冊。 1/6。 なるほどね? アクティブに読みかけの技術書は複数ある。 1 本 目標「月に 1 本以上記事を書…

シンプルに実装することと、実装をシンプルにすること(シンプリシティについての断章)

XP の 5 つの価値のうちの 1 つに「シンプリシティ(シンプルさ)」があります。 このシンプリシティについて、気づいたことがあるので記します。要点は以下の 2 つです。 XP での開発におけるシンプリシティの実現には、「シンプルに実装すること」と「実装…

2020年のふりかえり

やったこと 68 冊 今年読んだ本は、68 冊で着地。 年始に 50 冊以下にするという目標を立て、7 月に 80 冊までに下方(上方?)修正したが、無事 80 冊以下にすることができた。 と言ってはみたものの、上限の 80 冊に対してずいぶん余裕があることからもわ…

【翻訳】忘れられたプラクティス: バックログ優先順位ゲーム(Backlog Priority Game)

この記事は、Forgotten practices: The Backlog Priority Game (Zuzi Sochova) の翻訳です。 バックログの優先順位付けは、多くの企業にとってアジャイルの受容におけるもっとも難しい部分の一つです。では、それを正しく行う方法は何でしょうか? 推奨事項…

魔法見積もり(Magic Estimation)

はじめに 「バックログ優先順位ゲーム(Backlog Priority Game)」について説明するこの記事を読んでいて、「魔法見積もり(Magic Estimation)」という手法に出会った。 agile-scrum.com You can play Planning Poker or do Magic Estimations to get the v…

2020 年前半のふりかえり

ふと思い立ったので、2020 年前半をふりかえってみる。 やったこと 42 冊 読書メーターの記録によると、2020 年前半に読んだ本は 42 冊。 もともと 2020 年は読書数の上限を 50 冊までにするという目標を立てていたのだけれど、達成できそうにない。(超えて…

2019 年のふりかえり

2019 年をふりかえります。 やったこと 1000 冊 読書メーターの記録によると、今年は本を 100 冊ほど読んだ。 ここ数年、安定してそれくらいのペースで読んでいる。 これで、読書メーターを始めた 2011 年からの 9 年間で読んだ本が 1000 冊を超えた。 転職 …

『THE TEAM 5つの法則』は組織内の「常識の違い」を乗り越えるためのツール #THETEAM #エンジニアリング組織論への招待

5/9 にリンクアンドモチベーションで開催された、『THE TEAM』と『エンジニアリング組織論への招待』のコラボイベントに参加してきたので、そのレポートです。 connpass.com 僕はどちらも読んでいて、特に『エンジニアリング組織論への招待』を書いた広木さ…

「スクラムマスターを雇う時に聞いてみるとよい38個の質問」に答えた

「スクラムマスターを雇う時に聞いてみるとよい38個の質問」に答えてみました。 ものすごく長いので(なんせ 38 個あるので)、以下の目次から興味のある質問への回答だけでも見ていただけると嬉しいです。 なお、最初はかなり丁寧に回答していましたが 5 つ…