この国では犬が

本と芝居とソフトウェア

1 月に読んだ本

1 月に読んだ本。

6 冊。
正月休みを含んだ割には数が少なくてあれっ、と思ったのですが、どうも読みかけの本を多く残したからのようで、そのぶん 2 月は伸びそうです。

1 月のトップ 2

演出術 (ちくま文庫)

演出術 (ちくま文庫)

御年 80 歳になりながらいまも精力的に活動を続ける演出家・蜷川幸雄へのインタビュー集。

より正確に言うと、彼の主要な演出作品について、稽古中に一度、本番中に一度それぞれインタビューを行い、さらに(インタビューの時期には上演されなかった)過去の主要作品にも触れながら、蜷川さんがどういう背景で・どういう意図を持って・どのように演出をしているのかを赤裸々に明かしていくという内容。
各作品の紹介や注が丁寧かつ的確で、とても読みやすい構成になっていたのもよかった。

以前にも触れた、昨年 11 月の『皆既食』という舞台(の、特にラストシーン)がすごくよくて、俄然この人に興味を持ったのだった。(『皆既食』に触れているのは、下記エントリの『ランボー詩集』のところ)

この本は全編にわたって刺激的ですごく面白いのだけど、個人的には、次の一節でこの人のことが一気に好きになってしまった。

なぜうまく人はコミュニケーションできないんだろうといつも思います。この年齢としでもそういう性格は変わらない。いや、単に性格だけではなくて、なぜ深いところで人と人がある信頼関係で結ばれないのかと、若いときからずっと思い続けています。もちろん恋愛や愛は不安定なものですし、恒久的に保証されているわけではないけれども、どこかである瞬間、「あらゆるしがらみを忘れて、その人と深く知り合えたら、深く確認できたら」という願望が強いんでしょう。その小さな点のような思いが、劇に爆発していく。日常ではもう影をひそめているかもしれないけれども、芝居というフィクションの中ではかなえることができる。(pp.360)

そういうことだったのか、と。

この人の舞台を少しでも多く、長く見たいと思う。

究極の会議

究極の会議

著者の方(今は SmartNews の CEO)が昔弊社にいたときの話が出ている、という噂を聞いて買ってみた本。

その話じたいはまあほんの少しで、それはそれで面白かったのだけれど、一方肝心の内容も当を得ていて、いままさに会社で参加している会議を見直すとてもよいきっかけになった。

その考え方は、一言で言い表すと「議事録ドリブン」。
要点をいくつか抜き出すと、以下のような感じ。

  • 「みんなで良い議事録を作る」ことを会議の目的として考える
  • 会議の最初にゴールを共有し、参加者みんなで同じ議事録を見ながら会議を進める
  • (一度に一つのトピックについて話すために)「意見」「結論」といったわかりやすいタグを活用する
  • 会議の最後には Todo を確認し、以後 Todo の状態を追跡する

この「議事録ドリブン」という考え方は僕がよい会議のあり方についてふだん感じていることをはっきりと言葉にしてくれたようで、とてもありがたかった。

実は著者の人も開発に関わった(?)という噂のある会議システムを弊社では使っていて、たしかにこの本が提唱するメソッドに則っているのだけれど、クライアントの操作感がイマイチなこともあってか、いま一つこのメソッドが徹底されていない、と感じている。*1

でも、その操作感さえ改善すれば、この本に書いてあること(それに納得し、共感した)をしっかりと実践できるのでは、ということも思えたので、読んでよかった。

読書メーター

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1642ページ
ナイス数:23ナイス

演出術 (ちくま文庫)演出術 (ちくま文庫)感想
蜷川演出の個々の舞台についてのインタビューを軸に、蜷川幸雄というひとがなぜ、また何を大事にしながら演出をしているのかが赤裸々に明かされていく内容で、一気に読んでしまいました。注が丁寧かつ的確でたいへん読みやすいのもよかったです。あと、めちゃ芝居が観たくなります。
読了日:1月3日 著者:蜷川幸雄,長谷部浩
未来予測を嗤え! (oneテーマ21)未来予測を嗤え! (oneテーマ21)
読了日:1月24日 著者:神永正博,小飼弾
知ろうとすること。 (新潮文庫)知ろうとすること。 (新潮文庫)
読了日:1月24日 著者:早野龍五,糸井重里
究極の会議究極の会議
読了日:1月24日 著者:鈴木健
ピープルウエア 第3版ピープルウエア 第3版
読了日:1月25日 著者:トム・デマルコ,ティモシー・レスター
発達障害のいま (講談社現代新書)発達障害のいま (講談社現代新書)
読了日:1月29日 著者:杉山登志郎

読書メーター

そういえば、いま演劇にドハマりしてしまっているので、しばらく哲学はお休みかな……とか思っています。

よく見ると『演出術』の読書メーターの感想で「めちゃ芝居が観たくなります」とか言ってるし、この本が犯人なのでは説もあります。
それにしたって、ちょっと度を越しているけれど。

*1:実態は、会議によってまちまちで、バッチリ活用されている会議もあれば、そうでない会議もある、といった感じ

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