前回の読書記録で、
量から質へ、さらっと読める本から歯ごたえのある本へ、またインプットからアウトプットへ、徐々に移行していきたいな〜と思っているので、この読書記録のつけ方も今後ちょっと変えるかもしれません。
なんてことを言っていましたが、今のところおおむね今までどおり読んでいます。
読んでいるうちは、記録もつけておこう、と思います。
1 月のよかった本
内向型人間のすごい力
内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)
- 作者: スーザン・ケイン,古草秀子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 文庫
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大人になってみて、子供のころこれを知っていれば色々と違っただろうな、もっとずっと生きやすかっただろうな、と思うことがちょくちょくあります。
この本に書かれていることも、そのうちの一つでした。
著者は、「内向型」の人が内向型である理由(原因)や、そのことを生かす方法、「外向型」の人との違いなどを、科学的な知見から論じます。
一つ一つの説明が個人的な経験・記憶によく一致していて、深い納得感がありました。それはただ自分のことだけでなく、きっと内向型だったであろうあの人や、ちょっと苦手だった外向型のあの人のこともです。
この本のいいところは、「内向型はこんなに優れている!」といった内向型賛美みたいなものでは決してなく、むしろ外向型の人も含めた「人間をより深く理解する」ための本として読めるところです。
ちょっと変な言い方ですが、この本を読んだあと、もし同じスタンスで書かれた『外向型人間のすごい力』という本があればぜひ読んでみたくなるような、そういう射程距離を持った本でした。
僕は大きく分けると内向型なので、外向型の(特徴を多く持った)人のことをもっとよく知りたいのです。そのために、この本自体も役立つし、(外向型の人のことを)もっと知りたい、と思わせる不思議な魅力を持った本でした。
かといって、「外向型」の人がこれを読んで感銘を受けるかどうかはさすがにちょっと自信がないのですが、できれば読んでほしいし、自分が「内向型」だと思っている人(そのことを意識的に悩んだことがある人……ほぼすべての内向型の人は、あると思いますが)には、ぜひ読んでほしい本です。
「じか」の思想
「じか」の思想 (第4巻) (セレクション 竹内敏晴の「からだと思想」(全4巻))
- 作者: 竹内敏晴
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2014/05/22
- メディア: 単行本
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去年の一時期にどハマりした竹内俊晴さんのセレクションシリーズ完結編。
実は、この第 4 巻には竹内さん自身が筆を執った『愛の侵略』という戯曲が収められていて、なんとなく「観ていない戯曲」を読む気があまりしない時期だった去年の僕は『愛の侵略』の冒頭でずっと止めたままにしていたのでした。
「愛」の「侵略」という何となくざらっとした違和感のあるタイトルも、読み進めることを思いとどまらせた一因だったかもしれません。
ところが、ふと思い立って読み進めてみると、これが。
マザー・テレサの生涯を追う作品なのですが、このマザー・テレサがしていることがまさに「侵略」そのもので、戦慄的なのです。
具体的なエピソードを引いてもうまく伝わりそうにないので、あえて引きたくないのですが、アルバニアを出て、インドに入って、野垂れ死んでいく人たちに執拗にかまって、介抱して、看取ろうとするマザー・テレサははっきりと侵略者なのです。「愛」の。
それがどういうことなのか、僕が生きることや社会やら世界やらにとってどういう意味を持つのかは、正直言って全然消化できていません。
ただ、とにかく、竹内さんの選集の最後あたりにそんなものが出てくるとは思っていなかったので、びっくりしてしまいました。と同時に、人間と「からだ」と格闘し続けてきた竹内さんがここにぶつかることに、不思議な納得感のようなものもあります。
『愛の侵略』は、単行本も出ています。
が、『「じか」の思想』に収められたものは未公刊の新版とのことだったので、多少内容が異なるのだと思います。
- 作者: 竹内敏晴
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/10
- メディア: 単行本
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読書メーター
2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:4271ページ
ナイス数:17ナイス
ひらく美術: 地域と人間のつながりを取り戻す (ちくま新書)の感想
美術を使って、地域と人間、人間と人間とのつながりを取り戻していくことの記録です。著者は最後に「一般解を示したかったがそうはいかなかった」ということを書いていますが、さすがの具体性、個別性と、同時に十分な広がり、長い射程距離を持ちあわせた本だと思います。
読了日:1月2日 著者:北川フラム
日本人はどう住まうべきか? (新潮文庫)の感想
この本で言われている「だましだまし」ということの価値(あるいは原理主義のデメリット)を忘れている日本人はきっと多いと思うし、こういった本を通して多くの人がそれに気づいてくれたら、と思います。(その方がたぶん生きやすくなるから)
読了日:1月3日 著者:養老孟司,隈研吾
おとなになるってどんなこと? (ちくまプリマ―新書)
読了日:1月3日 著者:吉本ばなな
独立国家のつくりかた (講談社現代新書)の感想
実力行使に次ぐ実力行使で現代現実世界をビシバシ拡張していくさまに、しびれます。
読了日:1月3日 著者:坂口恭平
だから演劇は面白い! (小学館101新書 50)
読了日:1月3日 著者:北村明子
楽しもう。瞑想:心に青空が広がる (光文社知恵の森文庫)の感想
瞑想とは何かということから具体的なやり方、その効果(するとどうなるか)、またなぜ機能するのかという説明やTIPS的なところまで幅広く、かつしっかりとカバーしているよい入門書だと思います。
読了日:1月3日 著者:宝彩有菜
掏摸(スリ) (河出文庫)
読了日:1月4日 著者:中村文則
始めよう。瞑想:15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫)の感想
姉妹編の『楽しもう。瞑想』とは多少かぶる部分もあるますがおおむね相補的な内容で、興味深く読みました。やはり入門書です。姉妹編の後に読みましたが実践のこと(手順やコツ)が色々と詳しく書かれていて、参考になりました。
読了日:1月5日 著者:宝彩有菜
実践 JUnit ―達人プログラマーのユニットテスト技法の感想
JUnitの使い方(テクニック)というよりは、テストへの考え方から具体的な留意点、設計の工夫やTDDまで、(JUnitの使い方も解説しながら)ユニットテストの入門〜中級までを幅広く、程よいボリュームで扱った良書です。
読了日:1月7日 著者:JeffLangr,AndyHunt,DaveThomas
角川インターネット講座 (10) 第三の産業革命経済と労働の変化の感想
視点が高くて、面白かった。後半が特に面白いので、構成でちょっと損している気もします。(後半を読んだあとに序盤を読んだ方が面白いような……)
読了日:1月9日 著者:
命売ります (ちくま文庫)
読了日:1月11日 著者:三島由紀夫
こんな舞台を観てきた: 扇田昭彦の日本現代演劇五十年の感想
日本の演劇を50年以上見つめ続けてきた扇田昭彦さんの連綿たる劇評112本。その場にいなかった/いられなかった人間にとってほんとうにありがたい仕事です。
読了日:1月17日 著者:扇田昭彦
「じか」の思想 (第4巻) (セレクション 竹内敏晴の「からだと思想」(全4巻))の感想
竹内さんのセレクションシリーズ完結編。これに収められているマザーテレサを描いた戯曲「愛の侵略」はまさに「侵略」そのもので、戦慄しました。
読了日:1月17日 著者:竹内敏晴
内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)の感想
この本を読んで、「強い言葉を使う人の言うことを必ずしもその通り聞かなくてもいいんだ」ということを本当に深く納得したように思います。他にも、「内向型」の人にとって示唆にあふれた、自分や、自分だけでなく(「外向型」の人も含む)他人をより深く知ることのできる本です。その点、この本のタイトルは必要以上に言葉が強い感じがして、そこだけちょっとマイナス。(タイトルのせいでありがちな自己啓発書の類かな……と思って手に取るのをためらいました)
読了日:1月21日 著者:スーザン・ケイン
からだ・こころ・生命 (講談社学術文庫)
読了日:1月23日 著者:木村敏
時間と自己 (中公新書 (674))
読了日:1月28日 著者:木村敏
詩の樹の下での感想
樹の、本です。
読了日:1月29日 著者:長田弘
23区格差 (中公新書ラクレ 542)
読了日:1月31日 著者:池田利道
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