3 月もよく読みました。
16 冊!
3 月のトップ 3
- 作者: エーリッヒ・フロム,Erich Fromm,鈴木晶
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1991/03/25
- メディア: 単行本
- 購入: 33人 クリック: 227回
- この商品を含むブログ (119件) を見る
原題の「The Art of Loving」に違わず、「愛は技術である」ということを力強く主張する本。
この本の原版が出版されたのは 1956 年でじつに 60 年近くも前だけれど、そこに書かれている「現代の状況」は、背筋が寒くなるくらい 2015 年の状況を言い当ててように見える。
言い換えると、60 年間何も変わっていない、ようにも見える。
でも、一方で、やはりこの 60 年で、色々な人が色々なことを考え、少しでも人が生きることをよくしようと努力してきた(はずだ)。
その甲斐あってかどうかはわからないけれど、著者が最後に主張する「例外的・個人的な現象としてだけでなく、社会的な現象としても、愛の可能性を信じる」ということが、今なら 1956 年よりも少しだけ強い意思を持ってできる、そういう社会になってきているんじゃないかとも思う。
他人との関係に深く悩んだことのある、すべての人におすすめします。
俳優のためのハンドブック ─明日、舞台に立つあなたに必要なこと
- 作者: メリッサ・ブルーダー,リー・マイケル・コーン,マデリーン・オルネック,ナサニエル・ポラック,ロバート・プレヴィット,スコット・ジグラー,デヴィッド・マメット,絹川友梨
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2012/09/15
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
最近アマチュアの俳優を始めたので、買ってみた。
ら、とてもよかった。
どうも演劇の本の翻訳モノというのは、相当厳選されているというか、誰か(おそらく複数の)が「これはいい、ぜひ日本に紹介しなくては!」と思ったものだけが翻訳される(そして、絶版にならずに残る)からという理由で、相当いい本ばかりなんじゃないか、という気も何となくしている。
以前読んだ『現代戯曲の設計』もすごくよかったし。
この本は、デヴィッド・マメットというアメリカの劇作家・演出家が行ったワークショップや演技クラスの内容をベースに書かれていて、スタニスラフスキー・システムを実践に則して伝える内容となっている。*1
ただメソッドを淡々と伝えるだけなら、たぶん他にもそれなりにいい本があるのだろうと思う。
それだけではない、この本の特別いいところというのはたぶん 2 つあって、
- 俳優であることとは(俳優のトレーニングとは)何か、をはじめにきちんと語り、その立場をずっと保っている
- 感情は直接コントロールできず、コントロールできるのは身体的アクションだけである、という主張が終始一貫している
というのが、この本をすごくいいと感じた理由だった。
俳優にできることは「舞台に立つための準備をできる限りすべて」やって、「舞台に自分の最善のコンディションを持ち込むこと」で、「自分がコントロールできることだけをして、コントロールできないことは心配しない」でいいのだ、ということを教えてくれる。
もちろんそれが絶対不変の真実であるとは限らないけれど、少なくとも僕は、この本を読んでずいぶん安心することができた。
とてつもない、途方もない、想像もつかないような方法で仕事をしているように見えていた俳優たちが、実際には、人間として、できる限りの努力をした結果としてその舞台に立っているのだということが、少しわかった気がした。
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション
- 作者: 松尾茂起,上野高史
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
最近売り方というか露出の仕方というところに結構興味があって、またいま僕がいる会社というのが、今までそういうところをそんなに得意としてきたとは言えなそうだということが最近わかってきたというのもあって、入門のつもりで買ってみた。
ら、とてもよかった。(2 回連続 2 回目)
これは表紙のチャラさからもわかる通り入門書で、まず入門書としてとてもよい内容だったのだと思う。
イマドキよく見かけるマーケティングの現れ方からその根本にある考え方、また具体的な手法(の入り口のところ)まで、ひと通り理解することができた。
ページ数でいうと 2/3 くらいがマンガというかアイコン付きの会話で進むストーリーパートで、1/3 くらいがその回のストーリーで出てきた要素についての詳細な解説記事なので、サクサク読める。
サクサク読めるし、ストーリーパートは面白い。
いやもちろん最高の小説というわけではまったくないのだけど、アホさが徹底していて、むしろ泣けてしまった。自分でも何言ってるのかわからないけど、たぶん全読者のうち 1% くらいは泣いたと思う。僕は泣いた。
実際のところストーリーパートは(たぶんぜんぶ)Web で公開されているので、気になる人はぜひ見てみてほしい。
でも、せっかくだから本で読んだ方が、ストーリーと交互に Web マーケティングの基礎知識もきっちり仕入れられるので、一石二鳥でいいと思う。
読書メーター
2015年3月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3835ページ
ナイス数:23ナイス
せんはうたう
読了日:3月1日 著者:谷川俊太郎,望月通陽
演出家の仕事 (岩波新書)の感想
著者が「嘘」という言葉をとても頻繁に使うことが印象的でした。
読了日:3月5日 著者:栗山民也
風姿花伝 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ)の感想
小見出しが現代の自己啓発書っぽくてウケますが(「『勝利の神様』を自分に引きよせる」とか)、訳文はおそらく割と素直で、読みやすさのなかにも古典の深みを感じることができました。
読了日:3月7日 著者:世阿弥・著夏川賀央・現代語訳
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
読了日:3月9日 著者:築山節
本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか
読了日:3月10日 著者:成毛眞
愛するということの感想
この本を再び読んで、愛するということができるようになりたい、と改めて深く思ったし、少しずつできるようになりつつある、とも感じたし、またこの2015年はそういう社会に向かって進んでいると信じ続けよう、という思いも強めました。
読了日:3月12日 著者:エーリッヒ・フロム
沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディションの感想
泣けるWebマーケティング入門書です。
読了日:3月13日 著者:松尾茂起
コミュニケイションのレッスン
読了日:3月13日 著者:鴻上尚史
桜の園・三人姉妹 (新潮文庫)
読了日:3月13日 著者:チェーホフ
ひとりの夜を短歌とあそぼう (角川ソフィア文庫)
読了日:3月16日 著者:穂村弘,東直子,沢田康彦
いつか来た町
読了日:3月21日 著者:東直子
短歌の作り方、教えてください (角川ソフィア文庫)の感想
一青窈の短歌が基本的に破天荒でオッ……となるのですが、俵万智のアドバイスを受けての改作にはハッとするできのものがあり、短歌が大胆にブラッシュアップされていく過程を見られたのがとても面白かったです。
読了日:3月26日 著者:俵万智,一青窈
俳優のためのハンドブック ─明日、舞台に立つあなたに必要なこと
読了日:3月28日 著者:メリッサ・ブルーダー,リー・マイケル・コーン,マデリーン・オルネック,ナサニエル・ポラック,ロバート・プレヴィット,スコット・ジグラー
シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)
読了日:3月29日 著者:W.シェイクスピア
マネジメントの名著を読む (日経文庫)の感想
読みやすくて、それぞれの本の主張もざっくりと掴めて、つまみ食い本としてはなかなか良かったと思います。
読了日:3月30日 著者:
〔速攻入門〕 C#プログラミング すぐに現場で使える知識
読了日:3月30日 著者:中博俊,猪股健太郎,岩永信之,山本康彦
読書メーター
うたとしばいとソフトウェア。
あの本を読んだのがほんの一ヶ月(ちょっと/足らず)前でしかないのか、と思うにつけ、近ごろの時の流れは怒涛のようです。
*1:と、思う。もしかしたらスタニスラフスキー・システムじゃない部分もあるかもしれないけど、僕が持っている知識から判断するに、少なくとも基調はそうだと思う