序
2015 年の 4 月は、短歌の目から始まります。
題詠
1.入
ねえきみは入道雲がこの街を食べ尽くすとこ想像できる?
2. 粉
粉モンに目がない彼は粉モンがあれば地獄の底も漁った
3. 新学期
新学期薫れる風の吹くみちをゆくヒヨコらの吹くリコーダー
4. フール
天使踏むを怖れるを踏む道化とて遠く哀歌を唄う日もある
5. 摘
胸部から摘出されたたましいをそっと舐めれば水飴の味
6. 異
ははそはの母は異なれるを憎み夫をも憎み愛すは子のみ
7. 花祭り
見上げれば白く眩しい花祭り ただ生きているだけでこんなに
8. あらたまの
あらたまの春は来たれどあらたまの何が新たか 春は遥けし
9. 届け
せめてこのこころの露のけむりさえ届けばいいと息をひそめる
10. ひとつ
恋ってねひとつのものを分かち合うことなんだったらよかったのにな
結
前回、公開が 3 番めだったので、なんか意地になってしまって即詠エクササイズの様相を呈しました。
でもこれはこれでなかなかたのしい。
しかし(たぶん題詠に参加された方々の多くと同じく)「あらたまの」にビビりました……。
教養が足りない。さしあたって『万葉秀歌』を読まねば。
というわけで、短歌の目 4 月でした。
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また、もしご興味を持っていただけたら、前回のエントリもぜひご覧ください。