この国では犬が

本と芝居とソフトウェア

2019 年のふりかえり

2019 年をふりかえります。

やったこと

1000 冊

読書メーターの記録によると、今年は本を 100 冊ほど読んだ。
ここ数年、安定してそれくらいのペースで読んでいる。

これで、読書メーターを始めた 2011 年からの 9 年間で読んだ本が 1000 冊を超えた。

転職

7 月には転職した。

転職先の開発チームがなかなかユニークな文化を持っていて、入社からこれまでの半年間に Kotlin、Go、ClojureDart という(実務で使ったことのなかった )4 種類の言語を学び、使うことになった。(というか、初日から一通り書くことになった)
また、(こちらは慣れ親しんでいた)TDD やペアプログラミングといった XP のプラクティスを日々実践することになったものの、想像以上の文化の違いに慣れるのに少々時間がかかった。

シンキング

今年の序盤にはデザインのことをずっと考えていて、いわゆるデザインシンキングや、デザインという手法の限界みたいなことについても考えたりする中で、近ごろアート・シンキングという言葉が生まれてきていることを知った。
また、奇遇にも 8 月から 1on1 を担当することになった人がロジカルシンキングを鍛えたいという課題を持っていたこともあって、ロジカルシンキングについても考えることが多かった。

演出

11 月には所属している劇団の本公演があり、今年は演出をすることになった。
初めての演出は想像の 3 倍くらい大変だったけれど、何とか乗り切って、公演自体も成功と言ってよいものになったと思う。

わかったこと

飽和している

ここ数年で、同じような本を見つけては読みしても、得られるものがどんどん減ってきているのを感じる。
理由はいくつも考えられるけれど、あえて大きく捉えると、「飽和している」のだと思う。

同じようなところにいるから、飽和する。
どういうものを読むのか、どういう大きさや重さのものを読むのか、あるいは読まずに見たり、聞いたりするのか。インプットをやめて、アウトプットするのか。
色々やりようはある。いずれにせよ、ちょっと変えるタイミングだと思う。

大きく捉える

転職してみて、想像以上に色々なことが相当違った。

結構色々勉強して、それなりに色々やってきて、同じソフトウェアサービス企業、できたてのスタートアップというわけでも超大企業というわけでもなく、そう大きく変わることはあるまい、と想像していたものの、大間違いだった。

「やり方の細部こそ違えど、たどり着きたい場所が似ていて、十分な知識と良識があるなら、大きく捉えれば、同じのはずだ」と思っていた。
でも実際には、違いに困惑する日々が続いた。

たぶん、「大きく捉える」ときの大きさが足りなかったのだと思う。
大きく捉えれば、ほんとうは同じ。そのことは、今のところまだ信じている。

いろいろなシンキング

偶然も手伝って◯◯シンキングについて色々な面から考えることの多い 1 年で、自分なりの整理がついたのは収穫だった。

ロジカルシンキングは、分けること。分けることによってものごとを進めやすくするやり方。

デザインシンキングは、受け手のことを考えること。受け手を真ん中に置いてものごとを進めるやり方。

アートシンキングは、まだあまり定義の定まった言葉ではなさそうだけど、たぶん、自分を知ること。あえて、自分を真ん中に置いてものごとを進めるやり方のことなんじゃなかろうか。

これらに絶対的な優劣はなくて、必要なときに、必要な考え方ができるとよい。
ものごとにはそもそも分けられないこともあるし、受け手のことだけ考えていれば絶対にうまくいくというわけではもない。自分を真ん中に置くことでうまくいくということも、世の中案外少なくない。

舞台は総力戦

舞台の演出をすると、違う視点が得られる。

役者を客観的に見られるというのはもちろんのこと、音響、照明、衣装、大道具小道具をはじめとする膨大なスタッフワークや、劇場スタッフの方々の動き、当日のお客さんの動きもちゃんと見たのは初めてだった。
舞台が脚本や演出、役者だけでなく、劇団メンバーだけでもなく、多くの協力者や劇場関係者を含む総合力でできているということがよくわかった。

そして、総合的な作品の全体をつくる、ということをやったのは実は初めてだったから、何もよりもまず、やれた、ということがよかった。
ずっとこういうことがやりたかった。

次にやること

本は年間 50 冊までにする

本については、1000 冊といういい区切りもきたので、減らしてみる。
思い切って半分にすると何が起こるか? ということで、年間 50 冊まで減らす。と、言ってみる。

もっと読むのに時間がかかるような本や、異分野の本を読めるかもしれない。本ではない手段で学ぶ時間を増やせるかもしれない。アウトプットの時間をもっと取れるようになるかもしれない。

とは言いつつも、最近久々に小説をたくさん読みたい気持ちもしてきていて、小説は次々と読み終えてしまうものなので、そうなってくると 50 冊とは言っていられなくなるかもしれない。
そのときは、そのときで。

大きく捉えられるようになる

全体として、大きなもの、根源的なもののことを考えていきたい。

一方で、目の前にやるべきことは確固としてあるから、まずはそこで現実の結果を出す。
そのために動く。

動きながら、大きなものを捉えられないか。
さまざまなものごとの根本にある、理のようなものに、少しでも近づけないか。2020 年は、そのあたりを模索してみたい。