いっぱい本を読んでいます。
しばらく前に会社の人にどうやったらいっぱい本が読めるのかみたいなことを聞かれたことがあって、そのときに答えた内容をちょっとまとめてみます。
会社の人に答えたものなので技術書の話が多いですが、技術書じゃなくてもだいたい同じだと思います。
方法 1 : 読みたいものを読む
まず、自分がぜひとも読みたいものを読みます。
読みたいと思わないのに読んでもまずはかどりません。
技術書でいうと、たとえば、
- 今興味のある技術に関連が深い
- 今ちまたで Hot
- 今困っている問題に関係が深い
- 明日からの仕事で必要(実はこれが最強)
とかです。
理由はなんでもいいのですが、とにかく今読みたい! というものを読みます。
なので、僕の場合、読みかけで放置してる本もかなりいっぱりあったりします。*1
読みたいものを読む : 具体例
僕の場合の具体例をあげると、以下のような感じです。
今興味のある技術に関連が深い
最初の会社に入った頃は、C++ を使っていたので、とにかく C++ 関連の本を読みあさりました。
今の会社は基本的に Java で開発しているので、『Effective Java』とか、『JUnit 実践入門』とか。
EFFECTIVE JAVA 第2版 (The Java Series)
- 作者: Joshua Bloch,柴田芳樹
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/03/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (9件) を見る
僕の場合、興味の源泉として「仕事に役立つか」が大きいので、こういうラインナップになりがちですが、仕事以外でもアウトプットをするなら、もちろん仕事に直結しない技術に興味を持つケースもあると思います。
今ちまたで Hot
たとえばひと昔前だと『How Google Works』とか、ふた昔前だと『実践テスト駆動開発』(GOOS)とか、Twitter で話題になってるあいだに(≒発売直後に)読みました。
後者は結局読みかけですが……。(ぼちぼち再開したい)
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
- 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
逆に、買ったけど、読む暇がなくてしばらくほっとくと、(ブームが去るので)結局長いこと読まないまま、ということもあります。
今困っている問題に関係が深い
前の会社でチームのことで結構悩んでて、『組織パターン』を読みました。
『組織パターン』、結構文体が堅くてしんどい本なのですが、困ってることが書いてあるはずだから、というモチベーションで。
組織パターン (Object Oriented SELECTION)
- 作者: James O. Coplien,Neil B.Harrison,ジェームス・コプリエン,ニール・ハリソン,和智右桂
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/08/06
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (14件) を見る
あと最近計画とか管理のとこがうまくできないなと思っていて、気になるので、日経 BP のデマルコ本シリーズを読んだりしています。
- ピープルウェア
- アドレナリンジャンキー
- 熊とワルツを
- デッドライン
明日からの仕事で必要
なんだかんだでこれがモチベーションとしては最強です。
Java で Excel を読み書きする仕事で OOXML を触るときに OOXML の本を読んだりとか、新機能開発で新しいユーザコントロールを作るときに Swing の本を読んだりとか。
こういうのは仕事で必要じゃなかったらまず読んでなかったと思いますが、仕事で必要なのは明らかだったのでだいぶハイペースで読めました。
あとは、GitHub:Enterprise の導入に際して『インフラエンジニアの教科書』を読みましたし、読みかけにしてた『GitHub 実践入門』も一気読みしました。
やっぱりこうやって業務駆動で知識が増えることが僕の場合は多いです。
GitHub実践入門 ~Pull Requestによる開発の変革 (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 大塚弘記
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (21件) を見る
読みたいものを読む : まとめ
もちろん、これらのうち複数が満たされている方が強いです。
そんなに読みたくない本って、まず読めません。
ましてや技術書の場合、文章がこなれてない(読みづらい)ことも結構多いので……。
ちなみに、3 月あたりからはすっかり演劇っ子になってしまってもっぱら演劇の本ばっかり読んでます。
読みたい本だけ読むとどうしてもこうなりますが、短い人生読みたくない本を読んでる暇はないと思います。
なお技術に対する興味もまるっきり失ったわけではないので(失ってたらこの仕事やってません)、ちょいちょい読んではいます。
直近だと『Web 制作者のための CSS 設計の教科書』とか『ノンデザイナーズ・デザインブック』とか『Scala スケーラブルプログラミング』とか。
- 作者: Martin Odersky,Lex Spoon,Bill Venners,羽生田栄一,水島宏太,長尾高弘
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2011/09/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 12人 クリック: 235回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
方法 2 : シチュエーションに頼る
特に技術書の場合、人間が読むには結構抵抗が大きいので、抵抗が小さくなる場所を選びます。
抵抗が小さくなるというのは、つまり本読むくらいしかやることがないということです。
シチュエーションに頼る : 具体例
あくまで僕の場合なのですが、電車とカフェが二大本読めるスペースです。
電車
電車でできること、本読むか、寝るか、スマホを触るか(あとゲームとか)って感じだと思います。
どのみち限られているので、本読もう、と思います。あと電車で本を読んでいると知的でかっこいいです。
あとで書きますが、電車は時間が限定される(外部要因でスケジュールが切られる)のもよいです。
カフェ
カフェでできること、一人だと、本読むか、スマホを触るか(あと PC を持っていってプログラミングするか)、しかありません!
すごい! 寝るのもゲームもできない!(厳密にはできますが、目立ちます)
ので、電車では寝たいんだ……とかゲームがしたいんだ……とかいった場合、カフェがイチオシかもしれません。
僕が住んでいる池袋の場合ですが、こういうとこに行きがちです。
- ドリームコーヒー(コーヒーが激安かつうまい)
- ジュンク堂横のスタバ(運よく座れれば、量も多めにして、長居できます)
- ジュンク堂 4 階のカフェ(ほぼ本読んでる人しかいない、あとジュンク堂で 1 万円以上買うとブレンド無料券がもらえる)
前はコメダ珈琲が好きだったのですが、人気が上がってきていつも並んでるし、結構ざわつくので、最近はちょっぴし足が遠のきがちです。
その他
まさに「本を読む以外に何もできない」はずの図書館という場所もありますが、僕の場合なぜかイマイチ長時間集中できなかったりします。*2
なので、どういう場所が合うかは人によるのだと思います。
それからカフェの場合、おいしいコーヒーを飲むとかケーキを食べるといった喜びがあるので、「コーヒー飲んでケーキ食べるんだから本くらい読むっしょ」的な感じで、ニンジン作戦的な面もあるかもしれません。
最後にこぼれ話的な感じですが、電車で本を読んでいると、目的地についたけど今いいとこなんだよ、みたいなことが往々にしてあります。
そういうとき、僕は電車から降りて、ベンチがすいてたらベンチなり、近くの壁際なりでキリのいいところまで読みます。
これでまたちょっと進みます。
方法 3 : 時間・量を区切る
長時間、本(特に技術書)を読むと、疲れます。
疲れることがわかっていると、なかなか読み始める気もおきません。
なので、そもそも長時間は読まないんだぜふっふーん、という感じで、何分だけ、とか、何ページだけ、とか、一章だけ、とか決めて読み始めることもあります。
さっきちょっと書きましたが、電車だと、駅から駅の間で、たとえば 20 分とか、時間が強制的に区切られるのがよいです。
「何分だけ」を考えて決めるコストすら不要になるので、個人的には電車が最強です。
方法 4 : あんまりまじめに読まない
これは始めてからそれほど長くないので、有効かどうか、いいかどうかちょっと自信がないのですが、技術書はあんまり隅から隅まできっちり読まないようにしています。
というのも、「今興味のある技術」とか「仕事で必要」とかがあっても、本全体がそれに直結してることってまずないです。
興味の薄いところとかあまり必要だと思えないところをきっちり読んでいたら無駄に疲れてしまうので、そういうのは結構読み飛ばすようにしています。
必要になったときにまた読み返せばそれで十分ですし、多少読み飛ばしてもだいたいどこにどういうことが書いてあったくらいのことは覚えているものなので。実際最近はそういう読み返しをすることも増えています。
方法 5 : 記録をつける(そして公開する)
読書メーターに読んだ本を記録しています。また、それをこのブログにまとめたりなんかもしています。
これも地味にモチベーションになります。
実績が解除されていったり、ポイントがたまっていく感じで楽しいです。
あと、本の終盤(実績解除間近)になるとモチベーションが上がって、一気にたくさん読んでしまうケースが多いです。笑
まあ、これは「読みたい本だけ読んでんだからそういう外部動機付けを持ち出すのはおかしいだろ」みたいな意見も(僕の中で)なくはないのですが、読みたい本にも色々あって、内容はほしいんだけど文章とか体裁の問題で読むのが楽ではない、みたいなケースもあるので、上手に使ったらいいと思っています。
方法 6 : とにかく読む
方法 1 ~ 5 をシームレスに適用しまくる感じで、とにかく読みます。
とにかく読んでたら、結果としてたくさん読むことになります。
身も蓋もない感じですが、具体的にはこんな感じだったりします。
- 電車で 20 ページ→カフェで 80 ページ→適当な座れる場所で 40 ページ→うちで 20 ページ
足したら 160 ページです。*3
ちなみに通勤電車が往復 20 分なのですが、そこでも毎日読んでるので、それだけでも週に 0.5 ~ 1 冊くらい読めたりします。
まとめ
というわけで、これらの方法を駆使したら、個人差や本のジャンルによる差はあると思いますが、だいたい年間 200 冊くらい読めるようになると思います。
- 読みたいものを読む
- シチュエーションに頼る
- 時間・量を区切る
- あんまりまじめに読まない
- 記録をつける(そして公開する)
- とにかく読む
まあ最初は 200 冊いかないかもしれませんが*4、本っていっぱい読んでるとだんだん読むのが速くなってくるので、たぶんそのうちいくと思います。*5
最後に、繰り返しになりますが、読みたくない本をいっぱい読んでもいっぱいつらいだけだし、結局あんまり記憶にも残らなくて時間の無駄になりかねないので、本は読みたいものを、楽しく読みましょう。