8 月にも短歌はあります。
薄昏さ、朱く棚引く雲、明星 そのためだけに生きていたのだ
明けの空薄紅色の夢にあり来たばっかりの夏に別れを
夕凪の、あるいは月のない夜の「待った?」「ううん、ちょうど来たとこ」
プラチナムエンジン音も高らかに夜霧の底をゆけ配達夫
沈殿す明日の匂いの
校庭 に満ち満つ白いしろい朝焼けきみよりもきれいなひとを探してた 象がいたかもしれない駅で
頭脳もて心の襞をhackせよ古代ギリシャの智慧も許可する
この夏で一番長い散歩をした この人生で十度めくらいの
うすきぬに包まれているやわらかく遠いおしゃべり 守られている
千川の伏見稲荷の警備隊とのあいさつのやわらかいこと
すこやかに眠り起きそれから笑う今日が祝祭の日祈りの日
生きていることがうれしいなぜかしらただ息をしてここにあること
この世界は奇跡のように美しい風に揺らぐ樹鳥の羽ばたき
茜さす列車を揺らす天使たち朝がくるまでやめないでいて
夏が好きだ、と心のなかで何度唱えてみても、やっぱり秋のほうが好きなのは否めないですね。